GB規格
中国語ビットマップフォントには強制規格であり輸出規制されているとの情報が流れています。
コンプライアンス上、輸出先の法律を厳守することは間違っていませんが無意味な情報に惑わされているのも事実です。
事実を把握しコンプライアンスを厳守しつつも、安価で規格に合致したフォントを選択されることで従来の費用を抑えることが可能です。
中国語ビットマップフォントはGB規格に合致している必要があります。
ただし、フォント種によっては必ずしもGB規格では無くGB/T規格もあります。また、GB規格に合致している必要はあってもそれを証明する手段は一つではありません。
お問い合わせを頂戴したものをFAQとしてまとめました。
1.規格表の著作権
一部組織より規格表未記載のフォントメーカから販売されるフォントは違法性があるかのようなメッセージが出ておりますが真実ではありません。
GB18030など規格表の出版物としての著作権はそれぞれ団体のものですが、規格表はあくまでもコード表のことであり字形デザインを独占的に規定していません。
複数メーカのフォントが同一コードであっても著作権侵害にはなりません。
「GBコード」そのものは中国の規格であり独占されるものではありません。
2.認証制度
「認証」を盾にあたかも国が輸出許可を与えているかのような表現があれば必ずしも正確ではありません。
例えば、日本のJIS規格同様、規格外品があったとしてもそれは特殊な分野で利用できるものであり、搭載機器など販売に制限を与えるものではありません。
実際は、認証ではなく「検査証」で、さらには輸出許可を出す書類でもありません。
コンプライアンス上、GB規格と合致している必要はあり、その証明として第三者機関(中国内の企業や組織)に検査を依頼することは正しいことだと理解しておりますが、それ以上のものはありません。
よって、国の系列組織や民間団体が責任をもって検査した書体であれば、GB規格と合致していると理解できます。
これらについては独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)でも確認をしております。
3.検査を行う組織
4.ロゴなど合字
GB規格内の文字でロゴを作成した場合に輸出規制対象となり再認証が必要との情報があればそれは誤りです。
特注された合字などは外字であり、そもそもGB規格にありませんので「検査証」認証などは不要です。
但し、作成文字が誤読されないために輸出先のネイティブチェックを推奨致します。
5.アウトラインフォントの認証
字形デザインなどの認証は不要です。ただしコードとしてGB規格に合致している必要はあります。
6.規制緩和 GB2312→GB/T2312
GB2312は過去GB強制国家標準でしたが、2017年3月23日に強制国家標準(GB)が見直され
推奨性国家標準(GB/T)へ変更されGB/T2312にランクが変更となりました。これにより規制緩和されたと理解できます。
厳しい規格であるがゆえサポートなどメンテナンス面から期間契約は当たり前のGBフォントですが、
GB/Tに規格変更されたことで期間契約のレンタル制である必要性も無くなりました。
規格範囲:規格書には欧文や記号数字、日本語の片仮名や平仮名が符号区として規定されています。簡体字を含めて全てをGB規格としていますが、符号区は同一メーカ内の同一規格であってもバリエーションがあります。日本側が想像しているほどに規制は厳しいものでは無い事は容易に想像できます。
7.搭載機器への条件
「中国への輸出する機器はGB規格書体でなければならない」との表現は必ずしも正しくありません。
例えば、「測定器」「製造器」へ中国語ビットマップを搭載することにGB規格の規制は見当たりません。
解釈において、多くの中国人民が利用するであろう戸籍登録など公共サービスでの環境で通信利用がされる場合 末端機器にGB18030を用いる事を求めています。
上記発表によれば、国家規格を使用しているため要件を満たしていない既存のシステムでは速やかにシステムのアップグレードを行うよう努力すると記載があります。
公共性あるシステムについての努力目標であり小規模な機器での強制的な明言もありません。
但し、誤読を防ぐ意味で輸出先のネイティブチェックを受けるか、推奨性国家標準(GB/T)のGB/T2312をご利用になることをお勧めいたします。
お問い合わせを頂戴したものをFAQとしてまとめました。ご一読頂ければ幸いです。